21日、市農業委員会が被害甚大の陸前高田市を訪問し農業委員会と懇談しました。
明け方に降った雪で銀世界の盛岡市内から温暖な気候の陸前高田市まで片道3時間ほどバスに揺られてたどり着いた街は、あまりの変わり果てた姿に息を飲むばかりでした。
瓦礫は要所要所に集められてはいたものの、あるべきはずの家屋や商店など街並み全てが津波で押し流され海辺まで見渡せる状況でした。
早速、農地の被害状況について現地を案内していただきましたが、農地の被害は約283ha(全農地の6割)、被害額77億円余。そのほか農業用施設772か所・被害額190億円野未曾有の大被害です。水田は市内作付面積の約7割にあたる被害ということです。
特に、被害の大きかった小友町は、100haもの水田が流失、地ばん沈下し海抜ゼロメートル区域になり、原形復帰では地ばんを1メートル上げなければ農地として利用できないということです。
陸前高田市は、26年度までには全面復旧を目標にしているということですが、委員からは農機具、資材すべてを失い、収入も途絶え、仮設住宅で暮らす農家の方は精神的にダメージを受け再起できない、担い手もいない深刻な実態であるとの訴えでした。
農家は高齢化し全面復旧まで持つのかどうかという心配と、現実の問題として生活の糧をいかに得るのかなど苦悩の発言に言葉もありませんでした。内陸の農家の方に後押しをお願いしたいとの言葉を重く受け止め帰路つきました。
帰りのバスでは、農業委員会として何ができるのかとの話題でしたが、えさ米の作付を支援米にして応援したらどうかなど具体的な提案も出されました。
(写真上から海抜ゼロmの農地、破壊された市庁舎、唯一残った高田松原の1本松)
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