結成して10年も経ったのかという思いと、一層の運動の発展を願わずにはおられない記念講演となりました。
当日は、いわて子ども川柳を育てる会会長の宇部功さん(元松園小教頭)が「反戦川柳作家・鶴彬と石川啄木~子どもたちに戦争のない世界を」と題してお話をしました。
鶴彬の代表作の 「手と足を もいだ丸太にして かへし」の句を題材にした授業で寄せられた、子どもたちの率直な感想文を紹介していただきましたが、5、6年生の感性の豊かさに驚かされました。
宇部さんは、鶴彬が石川啄木の現実を直視する作風にあこがれ、川柳作家となったいきさつや石川啄木の生誕の地盛岡にお墓と句碑がある偶然などについて語りました。
鶴彬は、日本が中国に全面的な侵略戦争を企てた1937年に「万歳とあげていった手を大陸へおいて来た」を発表しましたが、その直後に治安維持法違反で逮捕・投獄され、拘留中に赤痢に感染し獄死しました。
松園とは大変縁が深く、1960年頃に現在の松園観音前に有志の方たちにより「手と足を もいだ丸太にして かへし」と刻んだ句碑が建立されましたが、現在はお墓のある盛岡市内光照寺に移設されています。
言論の自由のない時代に命がけで反戦の川柳を発表し、そのために獄につながれ29歳の若さで命を絶たれた反戦川柳作家について、いま学ぶことの意義をかみしめる一日となりました。
当日は会設立10周年を記念し、小冊子「戦後70年ー未来へに伝言~平和と憲法への私の思い~」を発刊しました。(1冊500円)問い合わせは事務局「℡662-6162」小林さんまでお願いします。
写真:上・講演する宇部功さん 中・盛岡で染め物屋を営む喜多さん(鶴彬の親戚)が染めた句 下・小冊子
コメント