5月21日、日本共産党岩手県員会と同東北ブロック事務所の共催による「子どもの貧困問題」シンポジウムが開催されました。260部用意した資料が足りなくなるほどの280名の参加で、関心の高さを裏付けるものになりました。
岩手県立大学の齋藤昭彦准教授は、盛岡市が依頼した母子世帯の生活実態調査について報告し、母子世帯の深刻な生活実態を明らかにしました。
斎藤先生は、1980年ころから子どもの貧困があったが、ようやく対策が言われる状況になった。相談体制の確立、生活保護との連携、官民あわせての連携が求められていること。実施のためにも行政職員の質をいかに高めるのかが問われている。採用から含めて考えてほしい。専門職(社会福祉職)など中核となる人材の確保をと訴たえました。
また、子どもの貧困を考えたとき、憲法25条の具体化をはじめ13条の幸福追求権、26条の教育の機会均等の具体化を考えてほしいと言われましたが、大変、新鮮な気持ちで受け止めました。
パネリストは、小児科医の小野寺けい子先生、NPOインクルいわての花坂圭一事務局長、みちのくみどり学園(児童養護施設)の赤坂美代子副園長、高橋ちづ子衆院議員で、それぞれの立場から子どもの生活実態と取り組みなどを話されました。
花坂氏は」、子どもの貧困問題は今の問題ではなくこれからの問題だと前置きし、社会保障が後退する中で少子化で子どもの数が減少しているからこそ、これらの子どもたちに支援することが将来の社会保障を支えることになると話しました。
赤坂氏は、保護者も虐待を受けた児童であり、貧困の連鎖を解明し断ち切る社会であってほしいと話しました。
高橋ちづ子衆院議員は、フロアからの質問に答えて、安倍首相が教育無償化を改憲の理由にしていることについて、教育無償化を妨害してきたのが自民党であったことや憲法を変えなくても予算措置と法律で実現できると話しました。
会場からは、「子ども食堂」「無料学習塾」の実践等の報告があり、行政のきめ細かな支援を求める内容でした。
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