市議団の市内研修では、社会福祉法人千晶会が運営する介護老人福祉施設「千年苑」の視察研修も行いました。
奈良洋二苑長さんほか各部署のスタッフが、それぞれの立場から第4期介護保険計画スタート後の状況と問題点について意見交換しました。
千年苑は、特別養護老人ホーム、介護支援センター、ディサービスステーション、ヘルパーステーション、訪問入浴ステーションなどの機能を有するほか知的障害者施設も運営しています。
奈良苑長は、開口一番、老人介護施設では知的障害者も職員として働いていること。介護施設では重度化が進行し、平均介護度が4・3になっており、認知症の方が8割に達していると話されました。
◎介護支援センターは、所得の少ない人が困っている現状をのべ、報酬単価が引き上げられた結果、限度額内では十分なサービスが受けられないことや施設への入所が困難になっている。
また、経過措置になったとはいえ介護認定では現状より軽く見られ、正当に判断してもらえないなど話されました。
◎ディサービスでは、書類作成に追われ入所者に接する時間が少なくなったこと。ショートステイ(4ベット)は、入所施設の代替えになっている実態もあり、空きベットを探すことがケアーマネージャーの仕事になっていることやショトステイーはニーズは高いがそれのみでは経営できないということです。
◎介護報酬3%アップが待遇改善につながっているのかどうか伺いましたが、制度がスタートしてから報酬はダウン傾向で、この間、給与カットしており、3%アップは非常勤職員の給与を若干アップした程度で人件費はカバーできない。
加算方式は、成果が出るまでには9月以降になり、生活が苦しい職員が多いと率直なお話でした。
最後に、国は、介護施設についてユニットケア、小規模多機能化を進めているが、ユニットは、高額すぎて年金者ではとても入所できない。最低限の年金者でも入所できる多床施設が必要であり、公的資金をそこに出してほしい。盛岡市としてもビジョンを持っていいのではないか。
重度化の結果、車イスやベットなど体にあったものが必要になっており、用意できない方たちには市が援助してほしいとの要望・課題が提起されました。
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