11月8日(土)、松園子ども自然観察園をきれいにする会による発足20周年記念式典と講演会に出席しました。
松園子ども自然公園は、県内最大の団地として40年も前に県住宅供給公社が開発した松園団地に、たまたま四十四田ダムの遊水地として開発から免れたくぼ地を、住民の粘り強い運動の末、自然観察園として保存活用してきたところです。
住宅供給公社が20年前に、このくぼ地をゴルフ打ち放し練習場として開発する計画を突然発表し、これを契機に付近住民が保存運動を展開しました。
この保存運動は、開発を求めた松園地区町内会連絡協議会(当時)との対立の中で、12年にも及ぶもので困難を極めました。同時に、専門家らの協力を得て、「くぼ地」が「里山の豊かな生態系を残す貴重な場所」だったということがわかり、広く市民に知れわたり保存運動にはずみがつきました。
8年前にようやく保存運動が実り、「くぼ地」は住宅供給公社から無償で市に移管されました。市は「松園子ども自然観察園」としてその管理を地元町内会ときれいにする会にお願いしています。今では地域住民はもとより、保育園、幼稚園、小中学校での自然観察の教材として広く活用されています。
「くぼ地」には、ミズバショウ、サクソウなどの植物、トウホクサンショウウオ、ヘイケボタルなどの生き物をはじめ多様な動植物が見られます。
今日の記念講演は、当初から保存運動にもかかわった澤口たまみさん(エッセイスト)が、「あ、発見!小さないのち」と題して記念講演を行いました。自然観察を通しての子どもたちの成長や保存運動での思い出など話しました。
澤口さんは、この保存運動で「何でもないものに大きな価値がある」ことを再発見したこと。自分の人生の大きな財産になったと話されました。
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