今日は、漢字が長々と続く「治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟」岩手県本部の総会に参加しました。
「同盟」は、戦前、暗黒の時代に平和と民主主義のために命がけでたたかった治安維持法犠牲者たちの名誉回復と国家賠償を求めて創立されたもので、すでに創立40周年を迎えています。
私は、長いこと機関紙「不屈」の愛読者という認識しかなかったもので、今日の総会参加は「目からうろこ」状態でした。
総会資料では、治安維持法犠牲者は、小林多喜二は国の公式見解では「心臓麻痺」で死んだ事になったままで、虐殺された人は80人、投獄など実刑を受けた人が5162人にのぼっているというのです。そしてこの国は、いまだに犠牲者に対して謝罪も賠償もしていません。韓国では同じ治安維持法の犠牲者たちは、愛国者として国民から尊敬され、顕彰されているというのにです。
小林多喜二については、昨今の派遣労働者や非正規雇用問題が社会問題になっている中で「蟹工船」が大ブームになりましたが、治安維持法の犠牲者としてはいまだに名誉が回復されていないのです。
この間、世界の情勢は、人道に対する罪に対して謝罪する動きが急になっています。たとえばオーストラリア・カナダの先住民への謝罪。アメリカ下院の黒人差別虐待謝罪決議。スペインでは、日本の治安維持法の時代と同じ時期の内戦と、その後のフランコ独裁時代に政治犯とされた犠牲者の名誉を回復する「歴史の記憶法」が実現しています。ナチス政権下に国家反逆罪に問われた人々には、名誉回復が立法化されています。(総会資料より)
わが国は、戦争責任があいまいにされたまま、自民党政権が長く続いた結果、世界の流れから大きく立ち遅れています。
治安維持法の犠牲者たちの名誉回復と国家賠償を実現させるということは、つまりは、平和を守り歴史を戦争と暗黒政治に逆もどりさせないことであり、真の民主主義を根付かせることに尽きるわけです。
今後の活動の展開については、政権が民主党に移った好機を逃さず取り組みを強めることなど こもごも話あわれました。